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先天性心疾患手術におけるホモグラフト使用例の検討
東北大学医学部心臓血管外科1),小児科2)
河津 聡1),川本 俊輔1),赤坂 純逸1),崔 禎浩1),大野 忠行2)

【目的】先天性心疾患手術における凍結保存ホモグラフト使用例について検討する.【対象,方法】対象は2002年12月より2007年12月までの 5 年間に当科で行われた先天性心疾患手術(296例)のうち,手術材料としてホモグラフトを使用した症例(6 例)について検討した.原疾患は肺動脈閉鎖症(1 例),先天性大動脈弁狭窄(1 例),大動脈弁閉鎖不全症(1 例),完全大血管転位症(1 例),大動脈弓離断(1 例),総動脈幹症(1 例)であり,ホモグラフトは 3 例が弁付き導管として右室流出路に使用され,3 例は補填用パッチとして左室流出路または大動脈再建に使用した.手術時平均体重は8.6kg(2.2kg~19kg),平均年齢は 1 歳 2 カ月(生後 9 日~3 歳)であった.【結果】術後平均フォローアップ期間681.7日(38~1,750日)であった.吻合部狭窄によるバルーン拡大術を 1 例施行した.ホモグラフトの有意な感染,弁機能不全,パッチの拡大などの合併症は認めなかった.心不全による死亡例を 1 例認めた.【結論】ホモグラフトは右室流出路または大動脈再建時の代用血管として有用であると考えられたが,その耐久性や患児の成長に伴う変形等さらなる遠隔期評価が重要である.

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