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エンサイトによる右房マッピングの所見から,起源が推定された左房頻拍の 1 例
社会保険中京病院小児循環器科1),循環器科2)
大橋 直樹1),松島 正氣1),西川 浩1),久保田 勤也1),坪井 直哉2)

【症例】11歳,男児.小学 2 年の時に不整脈を指摘され,ホルター心電図上,心房頻拍(AT)を認めた.心機能の悪化を危惧し,8 歳 6 カ月時カテーテルアブレーション(ABL)を施行.PV isolationをするも根治されず,ATは中隔起源と考えられた.ホルター心電図上,平均心拍数113bpm.11歳 4 カ月時,再度ABLを施行.CARTOとエンサイトで右房マッピングを行った.CARTOのマッピングでは,ATの右房での最早期興奮部位は冠静脈洞開口部後方の中隔であった.しかし,同部位のエンサイト上のvirtual電位にinitial Rを認め,ATの起源は左房と考えられた.中隔を穿刺し,左房をCARTOでマッピングすると,左房後下壁が最早期のfocalパターンを示し,その最早期興奮部位への高周波通電によりATは停止した.【結語】CARTOマッピングに,エンサイトによるマッピングを併用することで,より正確に不整脈基質を同定することが可能であった.その際,エンサイトのvirtual電位がATの起源の同定に非常に有用であった.

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