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新生児および乳児における大動脈径および肺動脈径の発育の検討
岐阜県総合医療センター新生児科1),小児循環器科2)
長澤 宏幸1),桑原 尚志2)

【目的】われわれは心エコー図を用いて新生児および未熟児においても左室拡張末期径(LVDd)は身長と直線関係になることを示してきた.しかし,心臓のほかの部位における身長との関係は報告が少ない.今回,身長75cm以下の児において身長を指標に大動脈径および肺動脈径との関係を検討した.【対象および方法】対象は重篤な慢性肺疾患および先天性心疾患を認めない新生児および乳児154例(男児79例,女児75例)で,在胎週数は24~41週〔33.1(平均)±5.3週(標準偏差)以下同様〕,測定時身長:31.9~75.0cm(48.5±9.0cm),測定時体重:623g~9,400g(2,970±2,040g),測定時年齢:9 日~1.0歳(平均0.18±0.21歳)であった.方法はHewlett-Packard社製Sonos 2500を用い,7.5MHzの探触子を使用した.胸骨左縁において拡張末期で測定.いずれも安定して測定できた 3~5 心拍の平均値を用いた.【結果】(1)身長(X:cm)と大動脈径(Ya:mm)との関係はYa = 0.48X - 5.0(r = 0.75),p < 0.052),身長(X:cm)と肺動脈径(Yp:mm)との関係はYp = 0.48X - 5.0(r = 0.75),p < 0.05となった.【結論】身長と大動脈径および肺動脈径とは直線関係が成り立つことが認められた.この式を用いることで正常児の大動脈径および肺動脈径の平均値を容易に求めることができる.

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