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フォンタン手術前の電気生理学評価
あいち小児保健医療総合センター循環器科1),心臓外科2)
福見 大地1),安田 東始哲1),沼口 敦1),足達 武憲1),前田 正信2),角三 和子2),鵜飼 知彦2),横手 淳2),為西 顕則2),長嶋 正實1)

【背景】フォンタン手術後の不整脈は死亡率を高くする.【目的】フォンタン手術前(グレン手術後)に電気生理学評価を行い,術後不整脈発症を予測できるか検討する.【方法】心臓カテーテル検査時に電気生理学検査を行ったフォンタン候補 7 例についてホルター心電図と比較検討を行った.EPSプロトコル:(1)伝導時間(AH時間,HV時間),(2)房室結節の決定,(3)洞結節機能(SNRT),(4)不整脈誘発(HRA刺激,心室burst pacing).【成績】6 例で有意な不整脈は認められずフォンタンまたはフォンタン待機中.1 例で上室性不整脈(AVNRT,AF,Af)JTが誘発され,カテーテルアブレーションを施行した.【限界】症例数が少なく,経過観察期間が短い.【まとめ】(1)EPSによりホルター心電図で認められた以外の不整脈は新たに認められなかった.(2)撃発活動や自動能亢進によると考えられる不整脈の一部は誘発されなかった.(3)術前に不整脈が指摘されなかった症例では術後早期に不整脈は発生しない.

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