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III-B-8 |
特発性心室頻拍に対する高周波カテーテルアブレーションの検討 |
日本赤十字社和歌山医療センター心臓小児科
豊原啓子,梶山 葉,芳本 潤,福原仁雄,中村好秀 |
【対象】器質性心疾患を有さない心室頻拍に対して高周波カテーテルアブレーション(RFCA)を行った53例である.検査時年齢,体重はそれぞれ,1 歳 5 カ月~20歳(中央値10歳 3 カ月),10.4~72kg(31.5kg)であった.【結果】単形性心室頻拍群(mono. VT)48例(右室20,左室28),多源性心室頻拍(poly. VT)5 例であった.失神を認めたのは,すべてpoly. VTで 3 例であった.頻拍誘発性心筋症を認めたのはmono. VTの 2 例であった.mono. VT群では48例中43例(89%)アブレーションに成功した.右室症例は,全例アブレーションに成功し,肺動脈で通電した 1 例を除いてすべて右室流出路起源(RVOT)であった.RVOT 19例中最も多かったのがposterior attachment + 中隔側で12例(63%)であった.左室症例は,大動脈左冠尖 2,左室流出路(LVOT)3,ベラパミル感受性心室頻拍(ILVT)23であった.ILVT23例中左脚後枝領域19,左脚前枝領域 3,左室中隔上部 1 であった.mono.VTにおけるアブレーション不成功例は,すべてILVT 5 例であった.乳児期発症の 3 例と検査時にVTが誘発されない 2 例においては,洞調律でpre-purkinje電位およびpurkinje電位が記録された場所を広範囲に焼灼したが無効であった.乳児例では,3 群薬とβブロッカーの併用内服が有効であった.poly. VTでは,最も多く認めるRVOT起源の心室期外収縮(PVC)に対してアブレーションを行った.全例運動制限とβブロッカーの内服を行っているが,失神の消失やホルター心電図でPVCの減少を認めている.【考察】特発性単形性心室頻拍に対するRFCAの成績は乳児例を除いて良好な結果であった.多形性心室頻拍に対する効果は不明であるが,一度は試みてもよい治療と考えられた. |
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