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III-B-11 |
小児の特発性心室頻拍・心室期外収縮に対するカテーテルアブレーション治療の成績 |
大阪市立総合医療センター小児医療センター小児循環器内科
鈴木嗣敏,村上洋介,保田典子,小澤有希,江原英治 |
【目的】小児の特発性心室頻拍(VT),心室期外収縮(PVC)に対するカテーテルアブレーション治療(RFCA)の成績を報告する.【方法】2007年 6 月~2008年 1 月までに大阪市立総合医療センターでRFCAを施行した特発性VT/PVC症例について検討した.【結果】対象は15例,平均年齢は9.2歳(11カ月~15歳),症状を有する症例は 5 例(失神 1 例,動悸 4 例),薬物療法を受けていた症例は 6 例,学校管理区分で運動制限を受けていた症例は 8 例であった.RFCAにより不整脈が完全に消失した症例は,13例/15例,86.6%.内訳は持続性心室頻拍が 3 例/4 例,非持続性心室頻拍が 9 例/10例,PVCが 1 例/1 例.不整脈起源の部位別の成功例は,右室流出路が 5 例/6 例,左室左脚後枝が 4 例/4 例,大動脈弁が 2 例/2 例,房室弁輪が 2 例/2 例,右室自由壁起源は 1 例で不成功であった.薬物療法を受けていた 6 例中 5 例は薬物療法が不要となり,学校管理区分で運動制限を受けていた症例 8 例中 7 例は運動制限が不要となった.不成功例は 2 例,13.3%.右室自由壁起源の 1 例は失神を伴うVT症例で,2 回のアブレーション治療により心室頻拍の頻度,重症度は軽減し,薬物療法を併用することにより現在VT/PVCは消失している.右室流出路起源の 1 例はPVCは残存しているものの無投薬でVTが消失しており,運動制限はせず経過観察中である.再発例は 2 例,13.3%.大動脈弁起源の 1 例は再治療してその後は再発なく,左室左脚後枝の 1 例はPVCは残存しているが無投薬でVTは消失しているため経過観察中である.重篤な合併症を来した症例は認めなかった.【結論】小児の特発性VT/PVCに対するカテーテルアブレーション治療の成績は86.6%と良好であり,不整脈の完全消失に至らなかった症例もそのQOLは改善している.小児の特発性VT・PVCについては,無症状でも運動制限や薬物療法を要する場合はアブレーション治療を検討するべきである. |
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