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III-D-3 |
経食道心エコー検査時における鎮静剤・鎮痛剤投与効果の検討 |
国立循環器病センター小児循環器診療部
吉澤弘行,北野正尚,内山敬達,高田秀実,鳥越 司,則武加奈恵,渡辺健一,脇坂裕子,矢崎 諭,山田 修 |
【背景・目的】経食道心エコー検査(TTE)は苦痛を伴う.当院では苦痛軽減を目的に咽頭の表面麻酔後,鎮静・鎮痛剤の静脈内投与を行っている.今回鎮静・鎮痛剤使用の有効性,安全性に関して検討した.【方法】2007年 2 月~2008年 1 月に当院でTTEを施行した102例(年齢 5~78歳,12歳未満27例,12歳以上75例)に検査後アンケート調査を実施し,結果を評価した.〈鎮静・鎮痛剤投与法〉12歳以上:ミダゾラム(M)2mg投与,プローベ嚥下後,M 1mgと酒石酸ブトルファノール(B)0.4mgを投与.必要に応じM 1mgまたはB 0.2mgを追加投与;12歳未満:鼻カニューラで 2l/分の酸素投与しながら,M 0.1mg/kg,B 0.02mg/kgに加えチオペンタール 1mg/kgを投与した後,プローベを挿入.検査中は心電図とSpO2をモニターした.【結果】検査中の記憶と苦痛については,全くなし37例,部分的記憶はあるが苦痛はなし37例,と検査中の苦痛を緩和できたものは74例(73%).検査中に呼吸抑制を認め,刺激が必要であったものが 5 例(4.9%),酸素投与したものが 6 例(5.9%)(うち12歳未満で鎮静剤投与前からの酸素投与例は除く)で,検査を中止したものはいなかった.検査終了後も酸素投与が必要なものが 1 例(5 歳児).ほかの合併症として検査後に嘔気11例,頭痛 5 例,めまい 7 例を認めたが,翌日には消失した.再検査の受諾については,嫌ではないので検査受諾36例,必要なら検査受諾51例,検査拒否希望15例.【結論】TTE時に上記鎮静・鎮痛剤を使用することで被験者の苦痛は緩和される.被験者の苦痛が消失することで検査者は検査に集中でき,検査時間も短縮されると考えられる.軽い呼吸抑制を伴うことがあるが,十分な対応ができるよう準備してから望めば比較的安全に検査が行える. |
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