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I-C-13 |
Trisomy患児に対する周径 = 体重 + 19mmの肺動脈絞扼術の検討 |
愛媛大学医学部附属病院脳卒中・循環器病センター臓器再生外科学(第二外科)1),愛媛大学大学院医学系研究科小児医学,愛媛大学医学部附属病院脳卒中・循環器病センター2)
長嶋光樹1),鹿田文昭1),流郷昌裕1),今川 弘1),村尾紀久子2),太田雅明2),山本英一2),檜垣高史2),石井榮一2),河内寛治1) |
【目的】両心室修復が可能なチアノーゼのない症例に対する肺動脈絞扼術(PAB)において,周径 = 体重 + 19mmのtrisomy患児に対する妥当性を評価する.【方法】チアノーゼのないPAB症例26例を対象とした.Trisomy患児症例11例(Tri群)と非trisomy患児の15例(N群)で群間比較した.Tri群の内訳は21 trisomy(8 例),18 trisomy(2 例),add(6)(q15),add(9)(q13) trisomy(1 例)であった.手術時体重はTri群で平均2.6 ± 0.9kg,N群で2.8 ± 0.9kg.手術時年齢はTri群で56 ± 54日,N群で28 ± 39日であった.診断は,Tri群でVSD 7 例,CoA 1 例,AVSD 3 例,N群でVSD 7 例,CoA 5 例,DORV 2 例,IAA 1 例. PAB後の体表面心エコーでPAB部でのpeak velocity(PV)の経時的変化,手術時体重を基準とした体重の経時的増加率(%),心内修復時術前カテーテル検査所見を群間で検討した.【結果】早期死亡なし.根治術に至る前の遠隔死亡はN群に 1 例(心不全,腎不全).PAB部のPVは,手術直後,術後 1 週,1 カ月,3 カ月,6 カ月時で,Tri群:3.1 ± 0.6(NS),3.2 ± 0.4(p = 0.08),3.6 ± 0.5(p = 0.04),3.5 ± 0.5(p = 0.01),4.0 ± 0.4(p = 0.09),N群:3.2 ± 0.4,3.6 ± 0.5,4.0 ± 0.6,4.2 ± 0.7,4.4 ± 0.5(m/s)であった.体重の経時的増加率では,術後 1 カ月,3 カ月,6 カ月時でTri群:97 ± 5(NS),139 ± 21(NS),198 ± 55(NS),N群:98 ± 11,154 ± 26,207 ± 36(%)であった.心内修復術前の肺体血流比はTri群:1.2 ± 0.4,N群:1.4 ± 0.6であり(NS),肺血管抵抗はTri群:4.2 ± 2.7,N群:2.2 ± 0.6(Unit/m2)であった(p = 0.08).平均肺動脈圧はTri群:25.5 ± 13.1,N群:18.1 ± 9.4(mmHg)であった(NS).【結語】Trisomy患児に対する体重 + 19mm周径のPABは,trisomy群でも体重増加が期待できるが,PAB部でのpeak velocityの上昇が遅く,また,心内修復前カテーテルでの肺血管抵抗が高い傾向があり,さらなる強い絞扼が望ましいと思われる. |
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