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I-C-15 |
左心性単心室症に対するseptation術後遠隔期問題点 |
東京女子医科大学心臓血管外科1),循環器小児科2)
岩田祐輔1),平松健司1),岡村 達1),小沼武司1),上松耕太1),市原有起1),豊田泰幸1),笹生正樹1),今井康晴1),中西敏雄2),黒澤博身1) |
【はじめに】Septation手術は左心性単心室症に対する二心室修復術として,術後の心拍出量が単心室修復より優れている点で外科治療の選択肢の一つとされている.しかしながら,術後遠隔期における問題点はいまだに明らかになっていない.今研究の目的は左心性単心室症に対するseptation術後遠隔期問題点を検討する.【方法】1983~2008年に35症例に対してseptationを行った.そのうち房室正位症例は 8 例,房室錯位症例は27例であった.27例の房室錯位症例を今回の対象とした.手術時平均年齢は8.5歳(0.3~24.8歳),平均追跡期間は14.8年(0.4~34.6年)であった.【結果】4 例を急性期に心不全で失った.白血病による非心臓死 1 例を含む 6 例を遠隔期に失った.4 例は僧帽弁(右側房室弁)の逆流による右心不全であった.残る 1 例は不整脈による突然死であった.累積生存率は10年76.5%,20年59.0%であった.再手術は 5 例に行われており,そのうち 4 例は僧帽弁の修復術もしくは置換術が行われており,2 例には房室間孔の狭窄による大動脈弁下狭窄解除術が行われた.僧帽弁逆流の程度とseptation時に僧帽弁輪に掛けたプレジェットの数や,術後の遺残短絡の程度(Qp/Qs)との間に相関はなかった.【まとめ】Septation術後の遠隔成績は三尖弁逆流(左側房室弁)の進行による左心不全ではなく僧帽弁逆流による右心不全が影響していると考えられた.注意深い経過観察による早期の僧帽弁逆流の発見と治療が遠隔成績向上のために必要であると考えられた. |
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