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I-D-24 |
超音波ドプラ心室流入波deceleration timeによる心室拡張期stiffnessの推定 |
埼玉医科大学国際医療センター小児心臓科
増谷 聡,先崎秀明 |
【背景】心室拡張機能(chamber stiffness)の評価は,心疾患を持つ患児の管理上非常に重要である.今回われわれは,小児心臓における,左室拡張期chamber stiffnessを,非侵襲的に求める方法の妥当性を検討した.【方法】VSD,ASD,PDA,PS,DORV,TOF,MCLSの患者において,心臓カテーテル検査時に,高精度マノメーターと超音波短軸AQ法により,左室圧断面積同時計測した.Stiffness(K)は超音波心室早期流入波の減速時間(DCT)の0.5乗に反比例し,有効波長に比例するという生理学的流体モデルに従い求めたK(K1)と,左室最小圧からEDPの圧差をその間の断面積変化で除して求めた実測K(K2)との相関を調べた.【結果】K1はK2と有意な正の相関(K1 = 0.94K2 + 0.49,r = 0.82)を示した.さらに,簡便にするために,有効波長にたいする定常係数0.8を用いたものでも,精度よく実測K2を予測した(r = 0.81).【考察】小児心疾患における左室拡張期stiffnessは,超音波を利用して,心室早期流入後退時間により非侵襲的に推定することが可能である.機能的,解剖学的単心室,右室への応用の妥当性の検討,および負荷変化時,運動負荷時の検討を加えたい. |
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