I-E-24
高校生における心血管危険因子の集積と個々の危険因子値との関係
国立病院機構鹿児島医療センター小児科1),千葉県医師会2),社会保険高岡病院小児科3),富山大学医学部小児科4),筑波大学大学院人間総合科学研究科(医学)5)
吉永正夫1),篠宮正樹2),宮崎あゆみ3),田中裕治1),櫨木大祐1),栗林伸一2),市田蕗子4),高橋秀人5)

【目的】心血管危険因子の集積と個々の心血管危険因子値との関係を検討すること.【対象と方法】厚生労働科学研究費による生活習慣病検診を受診した高校生ボランティアのうちすべてのデータの得られた1,257人(男子549人,女子708人,年齢15~18歳)の心血管危険因子値とアディポカイン値を測定した.内臓肥満,高血圧,中性脂肪高値,HDL-コレステロール値低値,空腹時高血糖を心血管危険因子とした.それぞれの因子のcut off値は本研究での90パーセンタイル値を用いた.アディポカインとしてレプチン,アディポネクチン,グレリン,高感度CRP,レジスチンを測定した.【結果】心血管危険因子を 0 個, 1 個, 2 個, 3 個以上持つ人数(割合)は男子が306名(56%), 166名(30%), 52名(9%), 25名(5%),女子では413名(53%), 218名(28%), 58名(7%), 19名(2%)であり,ボランティアであっても 4 割以上が 1 個以上の心血管危険因子を持っていることが分かった.割合に性差を認めなかった.個々の心血管危険因子値およびアディポカイン値は,高校生が最初の 1 個の心血管危険因子を持つ時に有意に悪化していた.【結論】どの心血管危険因子であっても, 1 個の心血管危険因子を持つことによりすべての心血管危険因子値が有意に悪化しており,思春期においては心血管危険因子の一次予防が重要と考えられた.

閉じる