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II-S2-2 |
内視鏡下動脈管閉鎖術(VATS-PDA)連続100症例の検討 |
北里大学医学部心臓血管外科1),群馬県立小児医療センター心臓血管外科2)
宮地 鑑1),宮本隆司2),板谷慶一1),友保貴博1),入澤友輔1),田中佑貴1),井上信幸1),鳥井晋三1),小原邦義1) |
【目的】われわれの施設では原則として複数個使用するコイル塞栓術は施行しない方針で,径 3mm未満の動脈管にはカテーテルによるコイル塞栓術を,径 3mm以上の動脈管開存症には内視鏡下動脈管閉鎖術(VATS-PDA)を施行してきた.現在までに施行したVATS-PDA連続101症例について検討した.【対象と方法】2001年 1 月より現在までに施行してきたVATS-PDA:101例を対象とした.手術年齢は平均14.6カ月(6 日~19歳),手術時体重は平均6.8kg(420g~67kg)であった.2.5kg以下の低出生体重児は34例(34%,平均体重950g,420~2,200g)であった.動脈管径は平均5.4mm(2~12mm)で,合併心奇形はVSD/ASD:7 例,AVSD:2 例,Ebstein:1 例,TAPVC:1 例であった.低出生体重児を除く67例中31例(46.3%)が他院からの紹介(県外14例)で,術前にコイル塞栓術を試みた症例は 9 例(13.4%)であった.42例(62.7%)に手術支援用ロボット(EASOP 3000)を使用した.これら101症例の手術成績・遠隔成績を検討した.【結果】手術死亡・病院死亡は 1 例で,420gの超低出生体重児を術後気道出血で失った.手術時間は平均58分(17~180分)で,開胸手術に移行したのは 2 例(2%)であった.低出生体重児34例の手術時間は平均35分で,動脈管は全例完全に閉鎖された.低出生体重児を除く67例の手術時間は平均69分で,65例(97%)が手術室で抜管された.術後在院日数は平均1.8日(1~6 日)で,46例(68.6%)が術翌日に退院した.全101例中,合併症は遺残短絡を 6 例(6%)うち 4 例にコイル塞栓術を施行し,1 例は左開胸による切離術を施行した.乳糜胸を 2 例に認めた.術後観察期間は平均 3 年で低出生体重児の 1 例を呼吸不全で失った以外は全例,合併症もなく経過良好である.【総括】動脈管開存症に対するカテーテル治療と内視鏡手術の組み合わせは乳幼児をはじめ 1kg未満の超低出生体重児に対しても低侵襲でかつ安全確実に施行できる治療戦略であることが示された. |
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