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II-D-14 |
Fridericia補正による小児期のQT延長,QT短縮の基準値の検討 |
国立病院機構鹿児島医療センター小児科1),鹿児島県立北薩病院小児科2),鹿児島大学病院臨床検査部3),筑波大学疫学医学統計学4)
櫨木大祐1),吉永正夫1),田中裕治1),福重寿郎2),原口安江3),高橋秀人4) |
【背景】心拍数が高い場合,Bazett法(QTc = QT/RR1/2)によってQT時間を補正すると過剰修正するため,Fridericia法(QTc = QT/RR1/3) で行うことが勧められている.しかしマニュアル計測されたデータによるQT延長の基準値は報告がない.QT短縮症候群は2000年に報告されはじめ,基準値がいまだない.【目的】Fridericia補正による小児のQT延長およびQT短縮の基準値を策定すること.【方法と結果】学校心臓検診を受けた小学 1 年生4,655人,中学 1 年生4,655人,高校 1 年生4,926人について,心電図から連続 3 心拍のQT/RR間隔をマニュアル測定し,Fridericia法による補正後,3 心拍の平均値を求めた.QT延長は心電図異常を示すQT延長症候群の頻度(1,164人に 1 人,Am J Cardiol 2002,89:395–398)を考慮して,x/σ; 3.135 を採用し,基準値は平均値 + 3.135×標準偏差とした.QT短縮は心電図異常を示すQT短縮症候群の頻度を5,000人に 1 人程度と仮定し,x/σ; 3.540を採用した.基準値は平均値-3.540×標準偏差とした.【結果】QT延長基準値;小学 1 年生男子0.42,女子0.42,中学 1 年生男子0.44,女子0.44,高校 1 年生男子0.43,女子0.44.QT短縮基準値;小学 1 年生男子0.30,女子0.30,中学 1 年生男子0.31,女子0.32,高校 1 年生男子0.29,女子0.30.【結論】Fridericia補正による小児期のQT延長,QT短縮の基準値の検討を行った.これらの基準値によるスクリーニングが妥当か,今後検討を行う必要がある. |
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