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II-D-15 |
CARTO MERGEに使用するMDCT画像作製の経験 |
大阪市立総合医療センター小児循環器内科
松村寿子,鈴木嗣敏,保田典子,小澤有希,江原英治,村上洋介 |
【目的】不整脈アブレーション治療において,心臓CTやMRIの画像データを3D構築してCARTOマッピングに応用するCARTO MERGEという手法がある.小児領域におけるCARTO MERGE目的のMDCT撮影条件に関する報告はなく,当院の経験を報告する.【対象】2008年 3 月~2009年 1 月の11カ月間に,CARTO MERGEを用いて不整脈アブレーション治療を施行した計23例中,MDCT画像を使用した20例.【結果】20例の平均年齢19.1歳(1 歳10カ月~48歳 9 カ月).正常心 9 例 (WPW4,PVC/VT4,心房頻拍 1),先天性心疾患修復術後 8 例(心房内回帰性頻拍 5,心房細動 1,PVC/VT1,WPW1),Glenn術後 2 例,Fontan術後 1 例.CT装置は東芝Aquilion64を使用した.撮影の際,上肢に22Gで血管確保し,造影剤 2ml/kg(最大100ml)を50秒で注入した.22Gが挿入困難な症例では24Gの留置針から 2ml/kgを 1ml/secで注入した.撮影電圧120kV,電流は体重20kgで100mA,60kgで300mAを目安に設定した.ヘリカルピッチ,スキャン速度は心拍数に応じて設定した.撮影は,対象が右心房の場合は下大静脈と三尖弁輪の間の部位を造影するため,造影剤注入終了から30秒後,対象が右心室の場合は造影剤注入終了から10秒後から開始した.画像は,対象が右心房の場合はQRSから-100msの時相,右心室の場合はQRSの時相に合わせ,スライス幅0.5mm,ピッチ幅0.3mmで再構築を行った.以上の撮影条件で得られた画像を用いてCARTO MERGEを行い,全例でアブレーション治療に必要十分な情報が得られた.2 例の乳幼児例では息止めせずに撮影したが,十分な画像を得ることができた.CT線量指数CTDIvolは平均58.7mGy(28.2~83.8mGy)であった.【結論】撮影条件の調節により,被曝量は冠動脈撮影の約半分に減らしているが,CARTO MERGEには十分な画像が得られた.今後,さらに良好な画像を確保しながら被曝量を最小限に減らすための撮影条件・画像処理方法の検討が望まれる. |
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