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II-D-25 |
Norwood + VSD creation—MS/AAを伴ったHLHSに対する新術式— |
岡山大学医学部心臓血管外科
海老島宏典,佐野俊二,笠原真悟,新井禎彦,高垣昌巳,小谷恭弘,藤井泰宏 |
【背景】近年HLHSのRV-PAシャントを用いたNorwood手術成績は安定してきており,1998~2008年に当科が施行したmNorwood 78例の耐術率は88%(70/78)に達する.しかしMV,AVの形態によるsubgroup比較では,MS/AA群の耐術率が悪いことが多くの論文で報告されている.その原因に左室の右室への形態力学的悪影響が示唆される.われわれは,Norwood手術時にVSD を作成し左室を減圧することにより,右心機能への影響を解除できると考え新術式を考案した.その手術方法とともに術後の左室形態を耐術例,死亡例と比較検討したので報告する.【症例】5 カ月,男児.在胎41週,3,328g. 正常分娩にて出生後,チアノーゼを契機にMS/AAを伴うHLHSと診断された.当院に緊急搬送され,その形態的特徴からhigh risk症例と判断し日齢 2 に両側PABを施行.術後UCGで右室は大きな左室により圧排され拡張機能低下を呈していた.月齢 5 カ月時にNorwood + BDGの同時手術に加えVSD creationを施行した.体外循環確立後循環停止下に直角鉗子を用いて筋性部に約 5mmのVSDを作成した.引き続きNorwood手術 + BDG手術を施行した.術後UCGでVSD flowは両方向性,右室の圧排は軽減されている.【考察】MS/AAを伴ったHLHSに対するVSD作成 + Norwoodの新しい手術は左室の減圧,減量が期待でき,この疾患群の予後を改善する可能性を秘めている. |
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