II-P-21
両側肺動脈絞扼術後症例におけるPGE1製剤使用の検討
大阪府立母子保健総合医療センター小児循環器科1),心臓血管外科2)
門田 茜1),濱道裕二1),萱谷 太1),稲村 昇1),石井 良1),塩野展子1),前川 周1),河津由紀子1),盤井成光2),川田博昭2),岸本英文2)

【はじめに】両側肺動脈絞扼術後ではPGE1製剤を高用量使用する例がある.【目的】両側肺動脈絞扼術施行例におけるPGE1製剤の使用方法,高用量必要とした原因および経過を検討する.【対象と方法】2004年 3 月~2008年12月に当センターで両側肺動脈絞扼術後PGE1製剤を使用した24症例.全例lipo PGE1で開始し,動脈管の形態的狭窄および最大流速の増加でPGE1増量,PGE1-CDへ変更を行った.PGE1-CDを20ng/kg/minまで減量できた症例はlipo PGE1に変更した.lipo PGE1のみ使用(lipo群),PGE1-CD使用(CD群),PGE1-CD 70ng/kg/min以上使用した高用量使用(CD高用量群)の 3 群に分けた.【結果】lipo群は 7 例.lipo PGE1の最大量は中央値 5ng/kg/min(2.7~8.0).次の手術に到達できたのが 6 例.1 例は lipo PGE1を中止した.CD群は 9 例.PGE1-CDの最大量は中央値53ng/kg/min(35~62.5)であった.Ductal shock 3 例,動脈管狭窄 6 例でPGE1-CDに変更.2 例でPGE1-CDを減量できなかった.残り 7 例はPGE1-CDを減量し,4 例がlipo PGE1に変更できた.次の手術に到達できたのが 8 例,1 例はlipo PGE1を中止した.CD高用量群は 8 例.PGE1-CDの最大量は中央値88.5ng/kg/min(70~120)であった.Ductal shock 4 例,動脈管狭窄で 4 例がPGE1-CDに変更した.Ductal shockの 3 例は高用量使用したが減量できず手術を行った.残り 5 例はPGE1-CDを減量し,3 例はlipo PGE1に変更できた.1 例は手術前に死亡した.【まとめ】PGE1-CDを高用量使用した原因はductal shockが多かった.多くの例は低用量に戻すことができた.

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