II-P-26
新生児および未熟児における肺動脈径の乳児期までの標準化
岐阜県総合医療センター新生児科1),小児循環器科2)
長澤宏幸1),桑原尚志2)

【目的】われわれは心エコー図を用いて新生児および未熟児においても左室拡張末期径(LVDd)は身長と直線関係になることを示してきた.しかし,心臓の他の部位における身長と関係は報告が少ない.今回,身長75cm未満の児において身長を指標に三尖弁径および僧帽弁径との関係を検討した.【対象】対象は重篤な慢性肺疾患および先天性心疾患を認めない新生児および乳児142例で,在胎週数は24~41週(33.1(平均) ± 2.6週(標準偏差)以下同様),測定時身長:32.1~75.0cm(49.6 ± 11.1cm),測定時体重:623g~9.4kg(3.1 ± 2.3kg),測定時年齢:9 日~1.1歳であった. 【方法】方法はHewlett-Packard社製Sonos 2500を用い,7.5MHz の探触子を使用した.拡張末期において肺動脈弁,主肺動脈および左右肺動脈を測定し,いずれも安定して測定できた 3~5 心拍の平均値を用いた.【結果】(1)身長(X:cm)と肺動脈弁(Yv:mm)との関係は Yv = 0.188X-1.70(r = 0.89),p < 0.01 (2)身長(X:cm)と主肺動脈(Ym:mm)との関係は Ym = 0.180X-1.43(r = 0.91),p < 0.01(3)身長(X:cm)と右肺動脈(Yr:mm)との関係は Yr = 0.127X-2.17(r = 0.93),p < 0.01(4)身長(X:cm)と左肺動脈(Yl:mm)との関係は Yl = 0.119X-2.18(r = 0.93),p < 0.01 となった.【結論】身長と三尖弁径および僧帽弁径とは直線関係が成り立つことが認められた.

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