II-P-64
Amplatzer device閉鎖後の心房壁収縮—2D speckle trackingによる評価—
埼玉医科大学国際医療センター小児心臓科
関  満,先崎秀明,岩本洋一,小林俊樹,石戸博隆,葭葉茂樹,竹田津未生,増谷 聡

【背景】2D speckle tracking (2DST)法は,心筋局所の運動を非侵襲的に定量化できる優れた方法である.近年,本邦においても心房中隔欠損症のデバイス閉鎖が可能となったが,デバイスが心房機能に及ぼす影響は未詳である.今回われわれは,2DST を用いて,Amplatzer deviceによる閉鎖の前後で心房壁運動がどのように変化するかを検討した.【方法】Amplatzer device閉鎖を施行した 9 例(4~22歳)において,術前,術後 2 日に,心尖四腔像で2DSTを用いて心房壁の壁運動を計測した.後遺症のない川崎病患者12例を対照群として計測した.計測はGE社製 Vivid 7をもちい,ECHOPAC workstation にてoff line解析を行った.【結果】両心房の自由壁ストレイン,ストレインレートは対照群に比して上昇している傾向があったが統計学的有意差はなかった.Device閉鎖後,右心房面積は有意に低下し,左心房面積は有意に増加し,右房心駆出率も増加した.右心房の自由壁ストレイン,ストレインレートは,閉鎖前に比して,有意に増加し(22.5%,28.9%,p < 0.05),不動の中隔に対し右心房駆出が維持されている所見であった.【考案】Amplatzer deviceの心房中隔に留置後は,心房中隔の運動が固定される分,心房自由壁の運動が増加し,結果心房収縮が保たれていると考えられた.

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