II-P-112
完全大血管転位に対する心房スイッチ術後遠隔期の臨床像
大阪大学大学院医学研究科小児科学1),心臓血管外科学2)
岡田陽子1),小垣滋豊1),内川俊毅1),大薗恵一1),上野高義2),市川 肇2),澤 芳樹2)

【背景】完全大血管転位に対する心房スイッチ術を受けた患者は30代となり,右室機能不全,不整脈が遠隔期の問題とされている.【目的】当院で心房スイッチ術を施行し,外来通院中の 8 名の現在の血行動態的な問題点について評価する.【対象】Mustard手術を受けた 7 人およびSenning手術を受けた 1 人.手術時年齢 2~14カ月.男性 6 人女性 2 人.【方法】術後遠隔期の心エコーでのRVEF,NYHA,不整脈の有無,社会活動状況について検討する.【結果】3 名がRVEFは50%以上に保たれており,3 人が40~50%で,2 名が30~40%であった.心房内の狭窄病変が認められなかった.ペースメーカー植え込みは全例において施行されておらず,NYHAは全例で 1 もしくは 2 であった.7 人が常勤で勤務していた.内科的治療を要したのは 2 名のみであった.【まとめ】完全大血管転位に対する心房スイッチ術後の日常生活状況は,悪くない.

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