II-P-171
先天性大動脈弁上狭窄症に対しMyers法を施行した 3 例
岐阜県総合医療センター小児心臓外科1),小児循環器科2)
大倉正寛1),八島正文1),竹内敬昌1),面家健太郎2),後藤浩子2),桑原直樹2),桑原尚志2)

【はじめに】大動脈弁上狭窄症(SVAS)に対する術式として 2 冠洞再建法のDotty法があり,3 冠洞再建法としてBrom法,Myers法が施行されている.われわれは大動脈弁上狭窄症の 3 例に対しMyers法を行い良好な結果が得られたので報告する.【症例 1】3 カ月男児.Congenital ASに対してPTAV後,日齢25にAo.V.commissurotomy,Ao.V.slicingを施行.2 カ月後にSVAS(20mmHg),大動脈弁再狭窄を認めたため,3 カ月時にAo.V.commissurotomy,Ao.V.slicing,Myers法を施行した.【症例 2】6 歳男児.PPSの診断にて外来フォローされていたが,SVAS(50mmHg),軽度LMT stenosisを認めた.【症例 3】13歳男児.PSの診断にて外来フォローされていた.13歳時に心電図にてHCMを疑われ,心カテにてSVAS(75mmHg)を認めた.【結果】術後 2 年 3 カ月~3 年経過し,SVAS解除部の圧差は 3 例とも認められていない.Arは症例 1 で術前trivialが術後moderateとなったが,他の 2 例では全く認められていない.冠動脈も問題はみられなかった.【考察】Myers法は自己大動脈組織だけで成長が期待でき,3 つのVasalva洞がバランスよく拡大できるため,有用な手術であると考える.2 冠洞再建法と 3 冠洞再建法のそれぞれの遠隔成績に関し,今後さらに注意深い経過観察により検討していく必要がある.【結語】大動脈弁上狭窄症の 3 例に対してMyers法を施行し良好な結果が得られた.

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