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III-PD2-3 |
器質的心疾患を伴わない小児心房粗動,心房細動症例の検討 |
日本大学医学部小児科学系小児科学分野
福原淳示,住友直方,谷口和夫,中村隆広,市川理恵,松村昌治,阿部 修,金丸 浩,鮎澤 衛,岡田知雄,麦島秀雄 |
【背景】小児において器質的心疾患を伴わない心房粗動(AFL)は比較的まれであり,さらに心房細動(AF)は極めてまれである.臨床および心臓電気生理学的検査(EPS)で誘発されたAFL,AF症例を検討したので報告する.【対象および方法】対象は器質的心疾患を伴わないAF 20例,AFL 44例,合計50例(M:F = 31:19,平均12 ± 5.0歳)である.これらをAF, AFLを臨床的に認めた11例(cAF 1 例,cAFL 9 例,cAF & cAFL 1 例)とEPSで誘発された39例(iAF 5 例, iAFL 21例,iAF & cAFL 13例)に分け性別,発症(診断)年齢,合併する不整脈,治療について検討した.【結果】合併する不整脈は,AFLが 5 例(cAFL 5 例),洞不全症候群が 3 例(cAFL 2 例,iAFL 1 例),高度房室ブロックが 1 例(iAF 1 例),心房頻拍が 6 例(cAFL 1 例,iAFL 5 例),房室回帰性頻拍が22例(cAFL 1 例,iAFL 11例,iAF & iAFL 10例),房室結節回帰性頻拍が 6 例(iAF 2 例,iAFL 2 例,iAF & iAFL 2 例),心室頻拍が 8 例(iAF 2 例,iAFL 4 例,iAF & iAFL 2 例),心室細動が 2 例(cAF & cAFL 1 例,iAF & iAFL 1 例),カテコラミン誘発性多形性心室頻拍 1 例(cAF 1 例)であった.cAF, cAFLに対しては高周波カテーテルアブレーション(RFA)を11例中 7 例(cAFL 4 例はRFA未施行)に施行しすべて成功した.iAF,iAFLに対してはiAFL 7 例にRFAを施行しすべて成功した.無治療のiAF,iAFLで臨床的にAF, AFLが出現した症例はなかった.【考察】EPSでのみ誘発された症例は無治療でも,その後AF, AFLを発症した症例はいなかった.また,AF, AFLは心室性不整脈への合併も11例(22%)に認め,心筋全体の不整脈器質の存在が考えられた. |
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