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III-PD2-5 |
小児の特発性心室頻拍について |
横浜市立大学附属病院小児循環器科1),藤沢市民病院小児科2),新村医院3)
岩本眞理1),市川泰広1),渡辺重朗1),山口和子1),西澤 崇1),佐近琢磨2),新村一郎3) |
【背景】小児や若年者における特発性心室頻拍は予後良好とされているが,まれに失神等の症候性のものや難治例に遭遇する.【対象と方法】対象は1985~2008年に当科を受診した器質的心疾患のない心室頻拍(以下VT)93例(男46,女47)で経過中に不整脈源性右室心筋症と診断された 2 例を除外した91例を対象とした.全例に胸部XP,UCG,安静時12誘導心電図,運動負荷心電図(Bruce法によるトレッドミル負荷),24時間心電図記録を施行し,1~6 カ月ごとの経過を追った.8 例で心臓電気生理学的検査・カテーテルアブレーションを施行した.診療記録より後方視的にその臨床像について検討した.【結果】91例中,30秒以上のVTの続いた持続性は14例,非持続性は77例.初診時年齢 3 カ月~16歳(平均10歳),経過観察期間は 1~30年(平均4.9年).受診の契機は学校検診67例,近医受診時12例,動悸・めまい・失神などの症状12例(このうち持続性VT 9)であった.非持続性VT 77例中60例は左脚ブロック下方軸パターンの単形性であり,2 年以上観察した50例のうち38例でVTが経過中に消失した.また多形性VT 7 例では全例でVTが持続した.死亡例は 3 例でこのうち 2 例は持続性多形性VTでカテコラミン誘発性多形性心室頻拍(CPVT),1 例は単形性非持続性VTであったがVT頻度の高い症例であった.【まとめ】小児の特発性VTの予後は概ね良好であるが,多形性や症候性の症例の自然予後は不良でありCA,AMD,ICDなどを積極的に考慮する必要がある. |
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