日本小児循環器学会雑誌 第25巻 第5号(687-690) 2009年
著者
石井陽一郎1),池田健太郎1),小林 徹1),小林 富男1),藤崎 正之2),土肥 善郎2),宮本 隆司2)
所属
群馬県立小児医療センター循環器科1),心臓血管外科2)
要旨
先天性僧帽弁閉鎖不全症の乳児に対して,弁形成術後に再逆流が生じ弁置換術を施行した 1 例を経験したので報告する.症例は 3 カ月男児,妊娠中および 1 カ月健診時では異常を指摘されず,2 カ月時に頻脈,多呼吸にて近医受診し,心拡大,肺うっ血,僧帽弁・三尖弁逆流を認めたため,当院へ紹介入院となった.入院後,弁逆流に対する内科的治療が困難であり,僧帽弁形成術(Alfieri’s procedure)を施行した.術後 3 日目に再度弁の逆流が増加したため,弁形成術を断念し,僧帽弁置換術を施行した.術後,急性腎不全を認め,血液透析を実施したが再手術後 5 日目には離脱,6 日目には人工呼吸器を離脱することができた.術後23日目にICUを退室し,以後の経過は良好であった.
平成20年10月29日受付
平成21年7月28日受理
キーワード
congenital mitral valve regurgitation,mitral valve plasty,Alfieri’s procedure,mitral valve replacement,infant
別冊請求先
〒377-8577 群馬県渋川市北橘町下箱田779