2013年7月10日策定
2020年12月5日改訂

1.基本方針

  1. 日本独自の「小児循環器病の診断と治療に関するガイドライン」の作成を行う。
  2. ガイドラインはevidence baseであること(ただし、小児の場合には一例報告も対象として慎重に評価する)、複数の学会や研究会からの班員で構成されること、外部評価がなされることを基本とする。

2.課題および班の構成

  1. 課題および班長はガイドライン委員会が決定し、学術委員会の承認を得たうえで、理事会にて決定する。なお、班長は日本小児循環器学会会員であること。
  2. 課題の選択基準として、我が国の小児循環器診療において①治療、診断の標準化がなされていないもの、②欧米で作成されたガイドラインはあるが必ずしも我が国の実情にあっていないもの、③欧米のガイドラインはあるが日常診療に十分浸透していないものを優先的に採択する。
  3. 班構成(班員、協力員、外部評価委員、参加学会)
    • 班員、協力員、外部評価委員、参加学会の組織案は班長が決定する。
    • 班員、外部評価委員および参加学会に関してはガイドライン委員会に申請し、学術委員会の承認を得る。
    • 班員の過半数は日本小児循環器学会会員とし、班長名で依頼する。また、班員には日本小児循環器学会の評議員を加える。
    • 日本小児循環器学会以外から参加する学会・研究会に対しては日本小児循環器学会理事長(本会事務局)から当該学会・研究会の長に協力を正式に依頼する。
    • 協力員は班長一任とし、班長が依頼する。協力員は班活動開始後でも追加、交代を認める。
    • 外部評価委員は3~4名とし、内1名は本学会評議員を含める。各班長が外部評価委員の候補者をガイドライン委員会に申請し、学術委員会の承認を得た上で、学術委員長及びガイドライン委員長名で依頼する。
    • 活動開始後(学術委員会承認後)の班員を追加・変更したい場合は、ガイドライン委員会に申請し、学術委員会の承認を得る。
    • 班長、班員及び協力員は、班発足時(基準日:4月1日)に65 歳未満とする。外部評価委員についてはその専門性を重視し、年齢制限を設けない。
    • 全面改訂の際の班構成に際しては、旧班構成に捕らわれる必要はなく、前のものを参考にしながら新しく作成する。
    • 部分改訂の際の班構成は、旧班構成の班員を尊重すること。
    • 班長、班員、協力員及び外部評価委員の選任には、本学会の「医学研究の利益相反に関する共通指針 (2017年12月10日策定)」が適用され、利益相反委員会の承認を経る。

3.ガイドライン作成班の活動期間

  1. 新規は2年とする。班長はガイドライン最終報告書(オリジナル版、必要に応じダイジェスト版)を当該の年度末(3月31日)までに学会事務局に提出し、その後に学術集会にて「ガイドラインの解説」を行う。
  2. 改訂版については、全面改訂は活動期間を2年、部分改訂は1年とし、当該の年度末までにその報告書(オリジナル版、必要に応じダイジェスト版)を提出し、その後の学術集会にて「改訂したガイドラインの解説」を行う。

4.ガイドラインのまとめ方

  1. ガイドライン作成中に班員間で意見が分かれた点や議論が多かった点については、何らかの形(例:脚注)で記載する。また記述に際してエビデンスに基づいたものかコンセンサスに基づいたものかを区別し、エビデンスが不足している課題では、その旨を冒頭で記述するなどの配慮が必要である。
  2. 可能な限りエビデンスレベルを表示する。
  3. 薬物・器材については保険収載の有無を明記する。保険適応外使用の薬剤の記述は、可能な限りその都度保険適応外であることを明記する。また、薬事法上の承認(小児適応)が得られている場合にはその都度明記する。
  4. 薬物についてはまとめの表を作成する。
  5. 各章毎の執筆者は示さず、班全体として作成した立場をとる。
  6. 活動期間の60%で第一原稿が完成していることが望ましい。
  7. 他文献からの図表を引用する場合は、班長が転載許可を得ること。海外文献からの引用の場合も同様とする。

5.ガイドライン(改訂版も含む)の外部評価(査読)

 完成した段階でガイドライン(案)の外部評価を受ける。新規、改訂版とも外部評価委員の意見を十分に加味し最終報告書(オリジナル版、必要に応じダイジェスト版)を作成する。外部評価委員から訂正を求められた場合、訂正事項を再検討し、再度、外部委員に承認を求める。2報の最終報告書は外部評価委員の承認を得たのち、学術委員会が校正原稿作成の可否を決定する。外部評価委員の査読は通常1か月を要する。

6.公表媒体

  1. 新規ガイドラインはオリジナル版(必要に応じダイジェスト版)を日本小児循環器学会雑誌 にSupplement の形で掲載し、かつ学会のホームページ上に公表する。ただし将来はホームページ優先に移行する。
  2. 全面改訂版はオリジナル版(必要に応じダイジェスト版)を日本小児循環器学会雑誌にSupplementとして掲載し、かつホームページ上に公表する。なお、部分改訂版はホームページ上にのみ公表する。

7.ガイドライン(ダイジェスト版を含む)の体裁および分量(改訂版含む)

  1. 体裁はすでに公表されたガイドライン報告書をモデルとする。
  2. ガイドライン名には英文訳(Guidelines for ・ ・・ ・・ ・(JSPCCS 公表した年)と統一)を付ける。
  3. ガイドラインの分量(文献リストを含む)のおよその目安はA4版で50~80ページ(400 字詰め原稿用紙200枚~320枚程度)とする。
  4. ダイジェスト版の分量はA4版で20~30ページ(400 字詰め原稿用紙80~120枚)とし(図表1点は原稿用紙1枚に換算する)、図表やフローチャートなどを多用してコンパクトにまとめる。分量については班長の裁量である程度の増減を認める。
  5. 文献は和文、英文を区別せず、引用順に番号を付け、巻末(ガイドラインの最後の部分)にまとめて掲載する(各章ごとに番号を付けて文献を示さない)。但し、ダイジェスト版では文献は不要とする。
  6. 図・表は通し番号にする(各章ごとに番号を新たにしない)。
  7. タイトルページには班長名(所属)、班員名(所属)、協力員名(所属)、外部評価委員名(所属)(以下五十音順に記載する)および目次を記載する(班員名、所属については班長事務局で必ず確認することとする)。もし、参加学会がある場合には日本小児循環器学会を最初に記載し、その他の参加学会は五十音順に記載する。タイトルページは、オリジナル版、ダイジェスト版とも同様とする。
  8. 事務局への提出についてはオリジナル版および必要に応じダイジェスト版をセットとし、必ず、データおよびその出力紙を締切期日までに送付する。

8.ガイドラインの改訂

 公表されたガイドラインは原則として5年ごとに改訂するが、医療の進歩に応じて柔軟に対応する。
 

9.ガイドライン作成に伴う助成金

 新規作成班へは日本小児循環器学会から班長を介して2年間で30万円の助成金が、また改訂版作成班には1年間で10万円が交付される。年度毎の会計報告が必要である。
 

10.ガイドライン報告書の発行人と転載許可

 ガイドライン報告書の発行人は理事長とし、公表するガイドラインの目次末尾に「無断転載を禁ずる」旨を明記する。転載許可は学術委員会で審議し、理事長名で行う。ガイドライン中の本文の引用および図表の転載について、ガイドラインに掲載されているままとすること、文言の一部引用、要約、改変は認めないこととする。ガイドラインの解説記事と判断される場合は引用元を明記することを条件に許可する。
 当学会ガイドラインの班員が他学会の同類ガイドラインを作成する場合においては、文章の一部引用、要約、改変等について一切問わないこととする。

11.制作費用

 印刷費、編集費、発送費は日本小児循環器学会が支払う。

12.英文化

 班長および班員は、可能な限りオリジナル版の英文化を行う。英文化実施に先立ち理事会の承認を得ることとし、英文化に要する活動期間は6か月とする。班長は英文ガイドライン最終報告書(オリジナル版、必要に応じダイジェスト版)を学会事務局に提出する。最終報告書は学術委員長と編集委員会による確認を経て、Journal of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery にSupplement の形で掲載し、かつ学会のホームページ上に公表する。英文化にあたり、作成班へは日本小児循環器学会から班長を介して10万円の英文校正費が交付される。