日本小児循環器学会雑誌 第27巻 第2号(69-75) 2011年
著者
山岸 正明
要旨
純型肺動脈閉鎖は左右の二心室を有しているが,心室中隔欠損を伴わず,さまざまの程度で肺動脈弁もしくは右室流出路の狭窄を合併する疾患である.類洞が冠動脈に結合し,冠動脈の狭窄や閉鎖を合併した場合には冠血流は右室から供給される右室依存性冠血流を合併する症例がある.本症の外科治療方針は二心室修復,one-and-a-half repair,一心室修復(Fontan手術)であるが,肺動脈弁閉鎖の様式,右心室形態と容積,三尖弁の形態と弁輪径,類洞(右室-冠動脈瘻)の合併の有無,左室機能により,第一期姑息手術術式やその後の選択術式を決定する必要がある.
キーワード
pulmonary atresia with intact ventricular septum, right-ventricle-dependent coronary circulation, Blalock-Taussig shunt, right ventriclar overhaul, Fontan procedure
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京都府立医科大学小児疾患研究施設小児心臓血管外科 山岸 正明