日本小児循環器学会雑誌 第27巻 第4号(182-186) 2011年

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著者

富田  英,市田 蕗子,坂本喜三郎,白石裕比湖,泉田 直己

所属

日本小児循環器学会専門医制度委員会

要旨

背景:2008年 4 月から日本小児循環器学会専門医制度(以下,本制度)が実施された.
目的:本制度における修練施設等の現状に関して解析し,本制度の将来像を検討するための一助とすること.
方法:2010年度現在の修練施設等の申請時データから,修練施設等や小児循環器常勤医の分布,施設背景や症例数データについて解析した.
結果:2010年度には45施設,36施設群(93群内施設),計138施設が修練施設等として認定されており,1県を除くすべての県に分布している.1県あたりの施設数は0~18(中央値2,最頻値2),小児循環器常勤医は0~113(8,4)であった.1施設あたりの15歳未満人口は25,333~385,500(中央値120,889)人,小児循環器常勤医1人あたりの15歳未満人口は8,444~84,667(32,000)人であった.修練施設等1カ所あたりの常勤小児循環器医,小児科病床,1年あたりの小児循環器疾患入院,心臓カテーテル,心エコー,運動負荷試験,24時間心電図はそれぞれ1~17(4),5~386(54),39~1,210(123),0~950(70),200~7,848(1,200),0~2,173(30),7~2,509(71)であった.
結論:修練施設等の背景には相当のばらつきがあり,本制度の中で,修練の質ひいては小児循環器専門医のレベルを担保するためには,施設群の有機的運用が必須と考えられた.

2011年2月15日受付
2011年5月16日受理

キーワード

Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery, board certified pediatric cardiologist, teaching hospital

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昭和大学横浜市北部病院循環器センター 富田  英