2025年1月20日

日本小児循環器学会
専門医修練施設・修練施設群内修練施設
指導責任者の先生方

特定非営利活動法人日本小児循環器学会 理事長 山岸敬幸
専門医制度委員会 委員長 増谷聡
学術委員会 委員長 犬塚亮
データベース小委員会 委員長 関満

修練施設・修練施設群 年次報告書(2025年分)ご提出のお願い

拝啓 時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
日頃より学会の活動にご理解・ご協力を賜り、心より御礼申し上げます。

さて、2024年分の修練施設・修練施設群年次報告のご提出をお願いいたします。
ご登録は年次報告・小児期発症心疾患実態調査システムよりご登録をお願い申し上げます。

<リンク> 日本小児循環器学会 修練施設・修練施設群内施設 年次報告・心疾患実態調査システム

  • ログイン時にはご登録のメールアドレスとパスワードが必要です。

<調査概要>
 日本小児循環器学会専門医制度規則施行細則第21条2、3より修練施設指導責任者・施設群代表指導責任者は、修練施設または施設群の施設状況、診療実績について年次報告書を提出することが義務付けられております。施設情報、診療実績(年間入院数、心エコー図検査件数、トレッドミル検査数、ホルター心電図検査数、心カテ検査・治療件数など)、指導状況(専門医・修練医数、症例検討会の記録など)に合わせまして、2015年度の総会承認を経て、小児期発症心疾患実態調査も報告が義務付けられております。なお、修練施設群の群内症例検討会報告は新型コロナウイルス感染対策のため年間3回以上としておりましたが、2024年分の登録より以前と同様に年間10回以上の開催となります。
 また、「術後管理に関する施設情報」の記載も継続してご記入をお願いします(2020年12月に開催の日本小児循環器学会理事会にて承認)。国内の現状を把握する目的で、小児心臓血管外科医数、小児集中治療医数、術後管理に使用している病床数およびその情報、当直帯の術後管理担当医を入力していただくことになります。なお、「術後管理に関する施設情報」の入力項目は修練施設認定要件とは関係ありません。
 小児期発生心疾患実態調査では2021年分から「肺高血圧・心筋疾患・その他」の項目に「慢性心筋炎」を追加されております。「慢性心筋炎」とは3か月間以上にわたり炎症が持続する心筋炎で、拡張型心筋症類似の病態を示し、慢性の心機能障害や伝導路障害による不整脈などを呈するものとします。心筋生検による組織学診断が得られた症例のみを登録してください。

① 年次報告(調査対象:2024.1.1〜2024.12.31まで)

  • ログイン後、各施設の認定状況に応じた報告内容画面に沿って、情報を登録すること。

② 先天性心疾患・希少疾患調査(調査対象:2024.1.1〜2024.12.31まで)

〇 調査対象症例:

  • 2024.1.1〜2024.12.31までに、新規に発症または診断した症例全例。1年間の症例数および疾患内訳のみを調査対象とする。
  • 対象年齢は診断日(2024.1.1〜2024.12.31まで)において20歳未満とする。
  • すでに他院で診断され、対象期間中に初めて修練施設・施設群・群内修練施設(および関連施設)に紹介・受診された症例を含む。ただし、症例登録の重複を避けるため、他の修練施設・施設群・群内修練施設からの紹介症例は含まない。

〇 調査対象疾患: 下記参照

全施設が回答必須となっており、①年次報告と、②小児期発症心疾患実態調査の回答をもって、年次報告が完了となります。①年次報告および②小児期発症心疾患実態調査の締め切りは【2025年2月28日(金)】です。
期日までにご提出頂けない施設は、2025年度に開催いたします理事会に報告され、専門医制度規則施行細則第24条(2)より、施設指導責任者の認定が取り消しとなる場合がございますので、ご留意ください。

ご多用の折、お手数をおかけいたしますが、学会専門医制度の円滑な運営維持と日本における心疾患疫学データ構築のためにぜひご回答の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

敬具

調査対象疾患

<先天性心血管異常>
心室中隔欠損症、動脈管開存症、心房中隔欠損症、大動脈縮窄症、大動脈弓離断症、完全型房室中隔欠損症、不完全型房室中隔欠損症、ファロー四徴症、心室中隔欠損を伴う肺動脈閉鎖症、心室中隔欠損を伴わない肺動脈閉鎖症、完全大血管転位症、先天性修正大血管転位症、両大血管右室起始症-VSD type、両大血管右室起始症-Tetralogy type、両大血管右室起始症-TGA type、両大血管右室起始症-Other type、総動脈幹遺残症、総肺静脈還流異常症、単心室、左心低形成症候群、三尖弁閉鎖症、エプスタイン病、肺動脈上行大動脈起始症、肺動脈弁欠損、血管輪、大動脈肺動脈窓、三心房心、ブランド・ホワイト・ガーランド症候群、冠動脈瘻、その他冠動脈異常、肺動静脈瘻

<弁膜症>
大動脈弁狭窄症、大動脈弁上狭窄症、大動脈弁下狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、肺動脈弁狭窄症、肺動脈弁上狭窄症、末梢性肺動脈狭窄症、三尖弁閉鎖不全症、三尖弁狭窄症

<不整脈>
早期興奮症候群、早期興奮症候群以外の上室頻拍、心房細動/粗動、QT延長症候群、ブルガダ症候群、カテコラミン誘発多形性心室頻拍、ベラパミル感受性心室頻拍、心室頻拍、洞不全症候群、完全房室ブロック

<肺高血圧・心筋疾患・その他>
特発性/遺伝性肺動脈性肺高血圧、アイゼンメンジャー症候群、門脈肺高血圧症、肥大型心筋症、拡張型心筋症、拘束型心筋症、心筋緻密化障害、不整脈源性右室心筋症、心内膜線維弾性症、急性心筋炎、乳児僧帽弁腱索断裂、心臓腫瘍、先天性心膜欠損症、収縮性心膜炎、川崎病後心筋梗塞、心臓震盪、心原性院外心停止、慢性心筋炎

<遺伝子・染色体異常>
ダウン症候群、18トリソミー、13トリソミー、無脾症候群、多脾症候群、22q.11.2欠失症候群、ウィリアムズ症候群、マルファン症候群、ヌーナン症候群、ターナー症候群、CHARGE症候群、VATER連合

基本方針

  1. 先天性新血管異常、弁膜症、肺高血圧等、不整脈の登録では、新規診断例(非修練施設からの新規紹介例、貴施設経過観察例で新規に登録基準を満たす例を含む)の主病名を一つのみ登録してください。
  2. 症例の重複登録を避けるために、症例の新規診断した最初の修練施設、関連施設での登録を原則とします。
  3. 先天性心血管異常に心筋症や不整脈を合併した患者では、原則として先天性心血管異常を主病名として登録してください。
  4. 染色体異常等を登録する副次項目では、心血管病合併例のみを登録対象としてください。心血管病を合併していない症例は登録する必要はありません。

先天性心血管異常

Q1. 複雑心疾患など、複数の病名が付く場合の病名の登録は?
A1. 診断者(調査票記載者)がその症例において最も重要と考える主病名を1つだけ(選択して)登録して下さい。

Q2. 新生児のsmall PDA、small ASD/PFO、mild PS、small VSD、MVP (with mild MR)、bicuspid AoV(with mild AS/AR)などの軽微な疾患の登録は?
A2. 病名が付き、その後のフォローアップ(後日再診)が必要と診断された症例については、すべて登録して下さい。病名なし、フォローアップなしの症例は登録対象外です。追跡研究ではありませんので、フォローアップ中の自然軽快、治療・管理等については問いません。

Q3. 房室中隔欠損症の登録は?
A3. 房室中隔欠損症については、完全型か不完全型に分類して登録して下さい。

Q4. 先天性修正大血管転位症の登録は?
A4. 心房心室不一致+大血管転位と診断された症例は、すべて先天性修正大血管転位症として登録して下さい。心室中隔欠損、肺動脈狭窄/閉鎖、一側心室低形成等の合併する構造異常の有無・種類は問いません。

Q5. 両大血管右室起始症の登録は?
A5. 両大血管右室起始症と診断された症例については、必ずサブカテゴリー(DORV-VSD, DOEV-TOF, DORV-TGA)に分けて登録して下さい。サブカテゴリーの選択肢はJCCVSD/STS(心臓外科データベース)の診断基準と一致させています。

Q6. 単心室症の登録は?
A6. 三尖弁閉鎖症、左心低形成症候群、心室中隔欠損を伴わない肺動脈閉鎖症、先天性修正大血管転位症等、リスト上の他の主病名が付かない単心室疾患を単心室症として登録してください。

Q7. 左心低形成症候群類縁疾患(HLHS variant)の登録は?
A7. 心室中隔欠損の有無に関わらず、左心低形成症候群類縁疾患は左心低形成症候群に分類して登録して下さい。

弁疾患

Q1. 弁狭窄、弁逆流のエコー上のフローで、どの程度以上を登録しますか。
A1. 血行動態上有意な所見を有する閉鎖不全や狭窄を登録して下さい。

Q2. 大動脈弁閉鎖不全兼狭窄症の症例で、どちらも血行動態上有意な所見があります。この症例はどちらかに、または双方に登録すべきでしょうか?
A2. 血行動態上どちらが影響を与えているかを臨床的に判断していただき、より影響が大きいと考えた一病名(大動脈弁閉鎖不全もしくは大動脈弁狭窄)にて登録してください

Q3. 肺動脈弁欠損は弁膜症のカテゴリーに入力するのでしょうか?
A3. 弁膜症ではなく、先天性心血管異常の該当項目に入力してください。

Q4. 4歳で僧帽弁腱索断裂と診断された患者は乳児僧帽弁腱索断裂に登録するのでしょうか?
A4. 年齢が乳児(2歳以下)ではないので、僧帽弁閉鎖不全として登録してください。

肺高血圧、心筋疾患、心膜疾患、川崎病

Q1. アイゼンメンジャー症候群の場合、原疾患の先天性心疾患の登録はどうしますか。既にアイゼンメンジャー症候群として経過観察中の例を含みますか。
A1. 原疾患の先天性心疾患でなく、アイゼンンメンジャー症候群を主病名として登録して下さい。既にアイゼンメンジャー症候群として経過観察例は登録せず、新規診断例(非修練施設からの新規紹介例、貴施設経過観察例で新規にアイゼンメンジャー症候群と診断した例を含む)のみの登録をお願いします。

不整脈

Q1. WPW症候群、QT延長症候群、Brugada症候群では、心電図のみの場合もあり、登録基準は何ですか。
A1. 薬物的、非薬物療法を新しく開始した例、新しく遺伝子診断された例に限定します。

副次項目

Q1. 副次項目の心原性院外心停止(小中高生に限る)ですが、心原性とはどのうなものを指しますか?
A1. 原心疾患が明らかな例と心原性疑いを含みます。原疾患として、種々の先天性心疾患、不整脈疾患(QT延長症候群、WPW症候群など)、心筋疾患(肥大型心筋症、急性心筋炎、左室心筋緻密化障害、拡張型心筋症など)、冠動脈起始異常(冠動脈対側冠動脈洞起始症など)、川崎病後心筋梗塞等があります。心原性疑いは、外傷、種々の内因性(呼吸性、悪性腫瘍、中枢性、内分泌性)、その他の非心原性因子(溺水、自殺、窒息)が否定された場合です(Utstein準拠)。

ご不明な点がございましたら、日本小児循環器学会データベース担当窓口までメールにてお問い合わせください。

日本小児循環器学会データベース担当窓口:jspccs-database[at]umin.ac.jp ([at]を@に変更してください。)

以上