新型コロナウイルスワクチン接種において、特に心疾患を基礎疾患とする患者さんやご家族から「ワクチン接種後の心筋炎が不安」「ワクチン接種後の心筋炎についてもっと知りたい」という声を多く頂いております。

 厚生労働省のホームページ「新型コロナワクチンQ&A」でワクチン接種後の心筋炎についての回答が公開されています。また、日本循環器学会からは2021年7月21日に「新型コロナウイルスワクチン接種後の急性心筋炎と急性心膜炎に関する日本循環器学会の声明」が公開されました。日本小児科学会も随時情報を更新しています。下記のリンクからご参照ください。

厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A」
Q:ワクチン接種をすると心筋炎や心膜炎になる人がいるというのは本当ですか。
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0079.html

日本循環器学会  COVID-19関連情報  https://www.j-circ.or.jp/covid-19/
「新型コロナウイルスワクチン接種後の急性心筋炎と急性心膜炎に関する日本循環器学会の声明」
https://www.j-circ.or.jp/topics/jcs_statement_2021/

日本小児科学会  
新型コロナウイルス関連情報
http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=333

 新型コロナウイルスワクチン接種後心筋炎の特徴は、これまでの海外のおもな報告をまとめると下記のとおりです。ただし、世界的に小児のワクチン接種の数が成人と比較して少ないため、今後、新たな情報が出る可能性があります。

  • ワクチン接種1回目よりも2回目に起こりやすい
  • mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン接種後に多い
  • 高齢者よりも思春期や若年成人に、女性よりも男性に多い
  • ワクチン接種後に発症する急性心筋炎の大半は軽症
  • おもな症状は、ワクチン接種後数日後におこる動悸・息切れ・胸痛など
  • 心疾患のある人にワクチン接種後の心筋炎が多いというデータはない
  • 心疾患のある人はワクチン接種後の心筋炎が重症化しやすいというデータはない

《重要》現時点での当学会の基本的な考え方は、新型コロナウイルスワクチン接種後の心筋炎は、新型コロナウイルス感染後の急性心筋炎よりも発症率が極めて低く、新型コロナウイルスワクチン接種後の心筋炎は大半が軽症であることから、心疾患を基礎疾患にもつ患者さんにおいても新型コロナウイルスワクチン接種を基本的に推奨します。ただし、小児循環器疾患は個別性が高いため、不安があれば必ず主治医に相談してください。そして、新型コロナウイルスワクチン接種後に、動悸・息切れ・胸痛等の症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。なお、接種後1週間激しい運動を控えるように指導している国もあります。学会としては、今後も情報収集に努め、最新情報は随時HPで迅速に情報提供を行なっていく予定です。