日本小児循環器学会による治験推進活動について

わが国の小児に対する医薬品は,約70%が未承認薬・適応外薬といわれています.適応外使用には,不適正使用,保険の査定,訴訟で不利,副作用被害救済制度の対象外となるといった種々の問題があります.医薬品の保険適応取得のために必要な治験は,小児循環器領域でも停滞しています.また,心臓カテーテル治療や手術に用いる医療機器の治験も遅れが指摘されています.
このようなドラッグラグ,デバイスラグの問題を打破するためには,産官学の協働が必要です.そこで,日本小児循環器学会が中心となって,製薬・医療機器の企業,厚生労働省,医薬品医療機器総合機構(PMDA)と連携し,治験を推進する活動を提案します.

本活動の目的は,日本小児循環器学会が,小児循環器関連の医薬品・医療機器等の企業治験の推進を行うことです.保険診療・臨床試験委員会と治験プロジェクトチーム(PT)は治験依頼者の求めに応じて,治験の計画・実施等に協力・支援いたします.PTは,学会代表理事(リーダー),保険診療・臨床試験委員会・関連部会員, 医学専門家・治験調整医師・治験参加施設責任医師から5人程度で治験毎に構成されます.
具体的な活動内容は以下の通りです(詳細は活動規約のファイルをご覧になってください).

Stage 1: 治験立案から症例登録の前まで

  • ① 治験PTの編成と会議
  • ② 対象患者数の調査
  • ③ 治験実施計画書の監修
  • ④ 治験実施計画書の立案の支援
  • ⑤ PMDAとの面談等の薬事戦略に関する支援
  • ⑥ 参加施設の選定条件の調査実施(WEBアンケート等)
  • ⑦ 施設選定と症例登録プランの作成支援
  • ⑧ その他

Stage 2: 治験の進捗の確認と調整

  • ① 治験PTの編成(前段階で編成していなかった場合)と会議
  • ② 学会のホームページ(HP)への掲載による広報と情報提供
  • ③ 治験PTおよび参加施設の会議
  • ④ 治験PT・参加施設へのメールまたはレターによる情報提供と相談
  • ⑤ 学会員へのメールによる広報と情報提供
  • ⑥ 学術集会での広報
  • ⑦ 分科会など他の学会・研究会での広報
  • ⑧ その他

Stage 3: 治験終了後の報告書等の作成及び製造販売後調査の支援

  • ① 治験PTの編成(前段階で編成していなかった場合)と会議
  • ② 学会のホームページへの掲載による広報と情報提供
  • ③ 治験PTおよび参加施設の会議
  • ④ 総括報告書作成の支援
  • ⑤ 添付文書等必要書類作成の支援
  • ⑥ 治験に関する論文作成の支援
  • ⑦ 治験PTおよび関連委員会・部会の会議
  • ⑧ 製造販売後調査計画書作成の監修の支援
  • ⑨ 製造販売後調査計画書作成の立案の支援
  • ⑩ PMDA等との面談に関する支援
  • ⑪ 対象患者数調査(データベース・レジストリー部会の情報利用)
  • ⑫ 学会員へのメールまたはレターによる広報と情報提供
  • ⑬ 製造販売後調査の報告書作成の支援
  • ⑭ 製造販売後調査に関する論文作成の支援
  • ⑮ その他

学会が,治験依頼者となる企業と契約し,積極的に治験を推進する活動は本邦初の取組みです.企業は効率的に治験を運用でき,学会はエビデンスを構築し,適正に医薬品・医療機器を使用できるようになります.
何よりも心臓病のこども達とご家族が,保険適応のある医療を迅速に受けられる有用なプロジェクトと考えています.
治験支援を希望される企業の担当者の方は,治験支援申請書を下記までご送付ください.ぜひ協力して治験を進めていきましょう.

理事長 山岸敬幸
保険診療・臨床試験エリア担当理事 三浦 大

【参考書類】

<お問い合わせ先>

日本小児循環器学会 事務局
〒162-0801東京都新宿区山吹町358-5
アカデミーセンター
TEL:03-6824-9380
FAX:03-5227-8631
Email:jspccs-post[at]as.bunken.co.jp([at]を @ に変えて下さい)