日本小児循環器学会理事長 山岸敬幸

日本小児循環器学会理事長
山岸敬幸
(2023年8月1日)

「Academic for Social」 日本小児循環器学会

 この度、先の総会で理事長に再任していただき、誠にありがとうございます。2023年8月1日より第2期目に入り、学会員の皆さまには、活発な学会ならびに学術集会の活動および運営に、益々お世話になることと存じます。何卒宜しくお願い申し上げます。
 約4年続いたCOVID-19禍で、学会員の皆さまにはオンライン開催やオンデマンド配信など、新しいタイプの学術集会を経験していただけたと思いますが、遂に今年の学術集会・総会では完全オンサイトが復活しました。オンラインの便利さも覚えましたが、やはりオンサイトでの議論そして交流の充実感や楽しさを、皆さん再認識されたことと思います。質の高いScienceに加え、患者さん・ご家族に直結する社会的な課題にも熱い議論が交わされ、その後は海外招待者も大興奮の80’sバブリーダンスなど、本当に素晴らしい学術集会でした。世の中でも国内外の様々な活動が再開され、当学会理事会も新たなメンバーで活性化していきます。
 今回、自身2期目の新たな取り組みとして、まず理事会でダイバーシティをリードしたいと考えました。選挙当選理事会で承認を得て、推薦理事8名のうち3名を女性に、理事会の議事録をまとめていただく幹事の4名も女性に務めていただくことになりました。政府の掲げる「女性版骨太の方針」では、企業役員の30%を女性にすることが目標とされています。今期理事会の理事の女性比率は20%、理事会メンバー(理事・幹事・監事)の女性比率は33%となります。ちなみに当学会員全体の女性比率は約20%です。近日中に新理事会メンバーと各理事の担当エリア・委員会をご紹介しますので、楽しみにお待ち下さい。
 前期の理事会では、会員の皆様のご協力もあり、実に様々な事業に取り組むことができました。中でも大きなものとして、先天性心疾患手術施設の地域拠点化、新たな薬剤・医療用機器の導入、学校心臓検診のデジタル化などがあります。これらの事業は、決して簡単に進むものではなく、産・官の協力が必須です。明るい社会、そして次世代に必要と思われる課題に対しては、永田町や霞ヶ関にもますます足を運び、学会として産・官・学連携をリードし、進めていくつもりです。
 そして私はいつも、学会はAcademicでなければならない、と考えています。疾患や病態を基礎から臨床まで科学し議論することが、学会の醍醐味だと思っています。さらに、その議論を患者さんやご家族のために生かせるように、学会が社会に働きかけ、貢献することの大切さを、前期理事長を務めて益々感じるようになりました。今期理事会のキャッチフレーズは、前期の「Academic & Social」から、「Academic for Social」な日本小児循環器学会とします。学会員の皆さんと一緒に、学び、考え、議論することを楽しみ、そして社会に貢献することを学会のモットーにしたいと思います。引き続き、会員相互のSocialもさらに充実させて、学会員一人一人の自己実現を促進したいと考えます。
 日本小児循環器学会はいよいよ創設60年、還暦を迎えます。本学会の「伝統と次世代継承」、そして新たな歴史を作る「革新」を、今期も継続します。学会員の皆さん、何卒宜しくお願い申し上げます。